【電力自由化】市場価格連動型には気を付けよう!メリット・デメリットはこれ!

電力自由化転勤族あれこれ

電力自由化、ちゃんと言うと電力の小売全面自由化ですが、2016年4月1日から、それまでは地方の電力会社しか販売できなかった電気の小売業を自由化したことで、私たち契約者側としては選択肢が増えることになりました。

色々な見積もりサイトも立ち上がっていますので、現在の契約と比較して割安な料金の業者を探すことも容易になっています。

しかし、そんな中で注意が必要な契約形態があります。それが市場価格連動型です。

市場価格連動型は数は少ないですが、いくつかの小売業者が提供しています。今回は市場価格連動型のメリット・デメリットについてお話しさせていただきます。

私は現在市場価格連動型の契約をしていますが、正直失敗でした。他の電力会社に乗り換えようと思っています。

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市場価格連動型ってなに

まず、従来の電気料金は従量電灯型というものが主流でした。従量電灯型は、初めから電気料金単価が決まっていて、使用量に応じて階段型に単価が上がっていくような形になります。

単価がすでに決まっていますので、将来的な電気料金が予想しやすいのがメリットです。ただ使えば使うだけ単価が上がってしまいますので、たくさん使う人にはちょっと微妙かもしれません。

一方で、今回紹介させていただく市場価格連動型というのは、一般社団法人 日本卸電力取引所(JEPX)の取引価格を元に電気料金単価が算定されています。

自前の発電施設を持っている電力卸会社以外は、ほとんどこの国内唯一の電力卸売り所であるJEPXで電気を仕入れています。その仕入れ値に応じて単価を設定するプランになります。

2020年8月30日の全国平均取引価格

上は2020年8月30日の全国平均取引価格です。結構高いですよね。一番高いところで44.28円です。電力会社の単価はこれにプラスアルファをした金額になりますので、もっと高額になります

上で紹介した九州電力の従量電灯Bの場合は、一番上の単価でも26.06円ですので、高いところでは市場価格連動型の方が高額になってます。

市場価格連動型のメリット

では市場価格連動型のメリットを紹介させていただきます。

1.電気料金単価が安いこともある

従量電灯型の場合は、事前に料金が決められています。ですので、需要が少ないときだろうと多いときだろうと料金が変わったりはしないわけです。

市場価格連動型の場合は、JEPXの取引価格に影響されますので、安いときはほんとに安いです。大手電力会社の最低単価が20円前後に対して、10円台も普通にあります。

特に夜間帯は安いですね。ただやっぱり需要がないときに安いので、普段あまり電気を使わない時間帯が安かったりするんですよね。なかなか享受しにくいメリットですね。

ただ、過去の実績を見ると年間を通して考えると従量電灯よりも安くなることもあるようです。

2.節電しやすい

電気料金の高い時間と安い時間が事前に分かりますので、高い時間は使用しないようにして、安い時間に家事を終わらせるなど、節約の計画を立てやすいです。

ただ、昼間や夕方などのちょうど使いたい時間帯が高いんですよね。特に夕方は夕飯の準備とかしないといけないじゃないですか。そんな時間に高いから、節約と言っても限度がありますよね

どっちのメリットも決め手に欠けるんですよね。

市場価格連動型のデメリット

次にデメリットを見ていきましょう。正直デメリットの方が大きいです。

1.単価が変動するため、将来の価格が読めない

電気料金の単価が日々変わるので、将来的にいくらぐらいの料金になるかは分かりません。見積もりサイトでは過去数年の実績をもとに参考価格を算出していますが、あくまで参考であることを念頭に置いておかなければなりません。

今年は過去の実績と違ってすごく高いということもありますからね。

つまり、見積もりの料金だけを見て、市場価格連動型の方がちょっと安いからこっちにしよう!とすると痛い目を見るかもしれません。

2.使いたいときに高い!

市場価格連動型という特性上、どうしても需要が多いときに単価が高くなってしまいます

需要が多いとき=みんな使いたいとき=私も使いたいとき ということが多いんですよね。

使いたいときに高いというのはほんとに嫌です。お金的にも心理的にも嫌です。

特に今年のような酷暑の夏でしかもステイホームが多い年は、かなり電気料金の単価が高くなってきます。私が契約している電力会社の場合、今年の夏は単価70円を超える時間帯が平日は結構多くあります。15時~21時くらいまでのちょうど暑くてエアコンとか使いたいときにめちゃめちゃ高くなっています。

安くなると思って市場価格連動型にしたのに、めちゃくちゃ高い!しかも他のほとんどの人は従量電灯だから時間帯に関係なく一定の金額で使える。じゃあ私だけ高いのか、、、そう考えるとほんとにストレスです。

でも小さい子もいるのでエアコンしないわけにもいきませんから、本当にツライです。ツラすぎです。

正直メリットで挙げている価格が安いときがあるというのも、あまり使わない時間・時期が安いだけなんです。しかも、安いからと言ってたくさん使うのは本末転倒ですし、本当に使いたいときは高いですので、あんまりいいところないですよ。

市場価格連動型全然おすすめしないです。しいて言えば、生活リズムが夜型の人や夜しか家にいない人なんかはいいかもしれません。

朝起きて昼家事して夜寝るという人にはあまり合わない料金形態です。

まとめ

市場価格連動型は従量電灯型とは違い電気料金単価があらかじめ設定されていません。JEPXの取引価格に応じた単価になっており、日々変動します。

しかも需要が多い時には高く、需要が少ない時には安くなります。つまり、昼間や夕方などが高くて深夜の時間帯に安い、暑い夏は高くて、過ごしやすい春は安いというような形になります。

他の人と生活リズムが違う人はいいかもしれませんが、そうでない人はメリットよりもデメリットの方が際立ってくる可能性があります。使いたいときに高いのは精神的にもストレスが大きいです。

特に、市場価格連動型などを検討されている方は、電力自由化により電力料金を抑えようとして検討していると思います。私もそうだったんですが、そのような考えの場合、電気料金単価が高くて使いたいのに使えないことや、高いのに使わざる負えないことは非常に大きいストレスになります。

安いプランを出している電力会社は他にもたくさんあります。リスクを取って市場価格連動型にするほどのメリットは感じられないと思います。

↓昨年末からの電気代高騰で新しく記事書きました↓