【物件選び】プロパンガスと都市ガスの違いって?結局どっちがお得なの?

プロパンガス物件選び

毎日使うガス。もちろん安いほうがありがたいですよね。

賃貸物件を探していると、プロパンガス(LPガス)と都市ガスの2種類のガスがあることが分かりますよね。

今回はこのプロパンガスと都市ガスはどのような違いがあって、どちらがお得・安いのかをお話しさせていただきます。

今までガスのことを気にしたことなかった人は、ぜひ今後物件選びする上で活用してください。

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プロパンガスと都市ガスの違いは?

それではまずプロパンガス(LPガス)と都市ガスの違いから見ていきたいと思います。

プロパンガス(LPガス)って?

プロパンガスは、この写真のようにガスを容器に充填したタイプのものです。日本名で液化石油ガス、英語でLiquefied Petroleum gasといい、LPガスと略されることが多いです。プロパンガスはLPガスの通称です。

プロパンガスは災害に強いことで有名です。プロパンガスはこのようなボンベが物件ごとに設置されているため、ボンベ~家間の短い配管の点検・修復で済むからです。

プロパンガスの成分は、主にプロパンとブタンによって構成されています。

プロパンガスは比重が空気より重いため、ガス漏れした場合は、足元に貯まりやすいです。また、独特な玉ねぎの腐ったような臭いがするため、ガス漏れした場合分かりやすいです。

ガス漏れした場合は、家の下の方にある窓を開けて換気すると効果的です。

都市ガスって?

都市ガスはプロパンガスとは違い、ボンベなどを各物件に配置するというわけではなく、地下のガス管を通じて各物件にガスを供給しています。

ガス管が繋がっていない物件は使えません。都市ガスの普及率は地方によって大きく差があり、大都市はほぼ100%都市ガスの地域もある一方で、地方では普及率30%台のところもあります。

ですので、引っ越し先によっては都市ガスの物件を探すことが非常に困難になる可能性があります。

都市ガスは埋設管を通じてガスを供給していますので、災害時にガス管に何かあると復旧が遅くなります。

都市ガスの主な成分は、メタン、エタン、プロパン、ブタンです。

2つの違いは?

ということで、プロパンガスと都市ガスは、供給方法もガスの成分も全然違います。

ガスの成分が違うことで、発熱量というものも変わってきます。

この発熱量というのも、ガスを選ぶうえで知っておくべき知識だと思います。

1㎥のそれぞれの熱量は、都市ガス約11000kcalに対し、プロパンガスは約24000kcalです。プロパンガスの方が約2.2倍ほど熱量が大きいです。

熱量が大きいというのは、例えばコンロの火力が上がるというわけではありません。コンロなどの火力自体はコンロに依存します。

同じ熱量を発生させるために使用するガスの量が、都市ガスの方が2.2倍ほど多くなるということです。プロパンガスと都市ガスの料金を比較するうえで、これは非常に重要です。

結局どちらがお得なの?

それではプロパンガスと都市ガスどちらがお得なのでしょうか。実際に計算してみましょう。

ガスの平均使用量は、関西電力のホームページに掲載されている数値を参考にさせていただきます。これは関電ガス(都市ガス)の使用量です。

引用元:関西電力

2人家族での料金で計算してみましょう。都市ガスの平均使用量25㎥で計算します。

プロパンガスは都市ガスの2.2分の1の量になりますので、

25÷2.2=11.3636..... ですので、11.4にさせていただきます。

都市ガス25に対して、プロパン11.4ですから量だけで見ると都市ガスの方が高くなる可能性あるんじゃないかなと思いますがどうでしょうかね。

都市ガスの料金は?

それでは25㎥使用した場合の都市ガスの料金を、東京ガスの料金を元に算出してみます。

1か月の使用量基本料金基準単位料金
0㎥から20㎥まで759.0円145.31
20㎥こえ80㎥まで1056.0円130.46
引用元:東京ガスホームページ

料金は以下により算出します。基本的に単位料金は月ごとに変わりますが、今回は基準単位料金を用いて計算していこうと思います。

今回のケースは、このようになります↓

基本料金1056 + (単位料金130.46 × 使用量25)= 4317.5円

都市ガスなら2人家族の1か月分の使用量は約4318円になるということが分かりました。

プロパンガスの場合

都市ガスの参考料金が分かったところで、次にプロパンガスの料金を算出してみましょう。

プロパンガスの価格を算出するための参考料金は、一般財団法人日本エネルギー経済研究所石油情報センターに記載の月次料金から逆算してみます。

東京都の10㎡の料金は7010円となっています。基本料金は1726円となっていますので、

(7010-1726)÷10=単価528.4円で計算してみましょう。

都市ガス25㎥に相当するプロパンガスの量は11.4㎥でした。ですので、

基本料金1726 + (単価528.4 × 11.4) = 7749.76

約7750円になりました。都市ガスは約4318円に対して約1.8倍の料金になっています。

ということでやっぱり料金的には都市ガスの方がお得と言えそうです。ただし、契約しているガス会社によって、都市ガスでもプロパンガスでも料金が変わりますし、地域によっても全然違いますから、皆さんの地域に合わせて計算することが肝心です。

まとめ

プロパンガスはボンベに液化石油ガスを充填して各物件に配置しています。都市ガスは地中に埋設されたガス管を通じてガスが供給されています。

プロパンガスはボンベと物件を結ぶ管路が比較的短いですので、災害に強く、復旧にかかる時間が短くなっています。

それに対して都市ガスは地中に埋まっているガス管を通じての供給ですので、どの配管で漏れが生じているかの特定や、地中管の復旧工事というハードルにより、災害時の復旧に時間がかかる傾向にあります。

熱量はプロパンの方が都市ガスの2.2倍ほどありますので、使用量は都市ガスの方が2.2倍ほど大きくなると考えて料金の比較・検討が必要です。

東京ガスと東京のプロパン平均価格から算出したところ、プロパンガスは都市ガスの1.8倍の料金になることが分かりました。1.8倍はかなり大きいですよ。これは無視できない差だと思います。

特に家族が増えるとその分ガスの使用量も増えますので、出費がかなり大きくのしかかってきます。

物件を探す際は極力都市ガスの物件を探すことをおすすめします。

都市ガスの物件がない場合はプロパンガスになってしまいますが、プロパンガスの物件と契約する際は事前にガスの料金を確認しておいた方が良いでしょう。

物件ごとに大家さんがプロパンガスの業者と契約しています。大家さんが入居者想いで安い業者と契約してくれていたらいいのですが、そうとは限りません。

プロパン業者も契約してほしくて、大家さんに色々とサービスをしているようですが、入居者には関係のない話、、、大家さんにとっていいガス業者=入居者にとっていいガス業者とは限りません。

諦めてプロパンにする場合でも、きちんと事前に料金は確認するようにしましょう。